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中小企業者等に対する欠損金の繰戻し還付制度

■中小企業者等に対する欠損金の繰戻し還付制度

欠損金の繰戻し還付制度が、中小企業者等については、平成2121日以後に終了する事業年度から適用できるようになりました。したがって、この41日以後に申告期限が到来するものから適用できます。

中小企業者等には、期末における資本金・出資金の額が1億円以下または資本・出資を有しない普通法人のほか、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等も含まれます。

■欠損金の繰戻し還付制度とは?

欠損金の繰戻し還付制度とは、前年度が黒字で当年度が赤字の場合に、前年度に納付した法人税額が還付される制度で、還付額は次のように計算されます。

 

前期法人税額(300万円)×今期欠損金額(800万円)÷前期所得金額(1,000万円)=還付金額(240万円

12か月決算を前提で上記の算式になります。

具体的には、次のようになります。

前年度の所得金額

1,000万円

前年度の法人税額

300万円

当年度の欠損金額

800万円(△は付けません)


もし、当年度の欠損金額の絶対値が、前年度の所得金額を超える場合は、前年度の所得金額を限度とし、それを超える部分は、翌年度以後に繰り越す欠損金額として扱われます。

例えば、当年度の欠損金額が1,500万円とすると、前年度の所得金額に相当する1,000万円までが繰戻し還付の対象となり、これを超える500万円は欠損金の繰越控除の対象として扱われます。

■欠損金の繰戻し還付制度のメリット

欠損金の繰越しは、翌年度以後7年間にわたって所得から順に控除していくのに対し、欠損金の繰戻し還付は、前年度の所得金額を対象にする点が異なります。

欠損金の繰戻し還付のメリットをまとめると、次のようになりますが、もっとも効果的なのは法人の資金調達に活用できる次の1でしょう。

1

 当年度中に金銭で還付され、還付額には課税されない。

2

 前年度と翌7年度の所得金額から控除できるので、全部で8年度の所得金額から控除することができる。

3

 当年度欠損金のうち、前年度の所得金額を超える部分だけが翌年度以後に繰り越されるので、7年間で控除しきれずに切り捨てられるリスクを軽減できる。


■繰戻し還付を受けるための手続き

欠損金の繰戻し還付を受けるためには、次の要件をいずれも満たす必要があります。

1

前年度と当年度のいずれも青色申告書を提出していること

2

還付を受けるための請求書を、確定申告書と同時に提出すること

3

確定申告書を申告期限内に提出すること

したがって、申告期限後に申告書を提出する場合や、適用を受けないで申告書を提出してから、後日に更正の請求等によって受けることはできませんので、注意が必要です。

■繰戻し還付と税務調査

税務署長は還付請求があった場合には、調査をした上で、還付を行うか、請求の理由がない旨を書面で通知することになっています。ただし、必ず実地調査が行われるというわけではなく、税務署内部における机上調査で済まされる場合もあるようです。

■事業税、住民税との関係

欠損金の繰戻し還付は、法人税法だけに設けられた制度の為、事業税や住民税では以下のようになります。

事業税

通常どおり欠損金の繰越し控除制度によって対応します。

住民税

還付された事業年度において、還付された法人税額を課税標準となる法人税額から控除します。控除しきれない額は、7年間を限度に繰り越していきます。