朝日新聞(夕)11/10によれば、そう、男なら勝負の下着は赤。
関西から宮城県丸森町に移り住んだ若者2人が、赤色パンツの専門店を起業しました。
なぜ、東北の過疎の町で、なぜ赤パン?
11月から売り出した商品名は「memento」。
情熱や勝利のイメージがある「赤」1色の、ボクサーパンツです。
伸縮性の生地を使ったフリーサイズ。
前と後が共通で、穿くときに迷わない。
「いつでも前向きに」との意味も込めました。
「意識を変えたい」。
外から見えるオシャレなロゴはない。
穿き主にしかわからない股の内側に、黒の文字がプリントされている。
大切な場所を守るだけでなく「穿くエネルギー」「穿くチアリーダー」。
パンツの定義を変え、人の意識を変えるのがコンセプトだ、といいます。
赤パンツの仕掛人は、ともに京都市出身の高野真一さん(26)、豊田拓弥さん(26)。
夏のある日、ひらめいた。
「お年よりへの贈り物に赤パンツが人気だ。カッコいい赤パンツなら、幅広い層に売れるのでは?」
その頃知ったのが丸森町の起業家募集。
去年10月、2人は宮城県の南端の町に初めてやってきました。
案内した町商工観光課の横山達さんは、「丸森から世界に通用する事業を創造してほしい」と説明。
高野さん、豊田さんはパンツを熱く語りました。
人口1万4千人、高齢化率39.3%、若者の多くは町を出ます。
東日本大震災では、原発事故の放射線被害も受けました。
「最先端の田舎だからこそ、ここから挑戦する意味がある」と高野さん。
最初は「パンツ?」と首をかしげた横山さんも、「彼らが刺激となり、自信をなくしかけている町の人が一歩踏み出すきっかけになれば」と期待した。
2人はそれぞれ会社を辞め、今年4月、丸森の古い民家に引っ越してきました。
5月、ザミラ株式会社を設立しました。
夢は大きく、道はけわしい。
100枚近いパンツを買い集め、日々研究を重ねました。
衣料メーカーなど数十社に相談のメールを出し、あきれられ、無視されました。
そんな中、「おもしろいね」と言ってくれた京都の老舗繊維会社がありました。
OEM(相手先ブランドによる生産)を契約。
製造は、イタリアブランドも手がける中国の縫製工場です。
販売にこぎつけた赤パンツ、税込み3600円。
ネット販売のほか、小売店も探す。
「Designed in Marumori」、洗濯表示にはそう記されています。
こんなにとんがった若者を受け入れ、応援してくれた町の人に、限りない感謝の気持ちを込めて、続けていきたい!